ガンダルフ @Gandalf_jp_bot
わしの名はさまざまな国でさまざまに呼ばれる。エルフの間ではミスランディア、ドワーフにはサルクン、今は忘れられた西方での青年時代にはわしはオローリンだった。南の国ではインカヌス、北の国ではガンダルフ、東の国には行かぬ。 ヴァリノール Joined June 2010-
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「フロド、あんたがわしを入れてくれなければ、わしはここのドアを、吹き飛ばして、入り口から山のむこうまで穴をあけてくれるぞ」
「じゃが、あんたは自分の命のことを心配するには及ばぬ。わしはあんたを殺したいとも、傷つけたいとも思っておらぬ。それはあんたの知る通りじゃ。わしのいうことを本当にわかってくれればのことじゃが。
「だから、あんた自身のためにも、他の者のためにも、あんたはバギンズの名前を捨て、ここを出て行かなければならぬだろう。ホビット庄の外にしろ、荒れ地にしろ、バギンズの名はもはや安全ではない。
「それからフェアノール王家の星がある。」と、ガンダルフがいいました。「これらの線は、イシルディンを用いて描かれている。それは星の光と月の光だけを反射し、中つ国ではもうとっくに忘れられた呪文を唱える者が手で触れるまでは眠っておるのじゃ。」
「じゃがサルマンはとかく約束をないがしろにし勝ちじゃからな。忠告しといた方がよかろう。かれがきさまの忠実な奉公を忘れぬよう、早く行ってかれに思い出させてやるがいいぞ。」
「見よ、わしはお前が裏切った灰色のガンダルフではない。わしは黄泉より戻った白のガンダルフじゃ。お前は今では色を持たぬ。わしはお前をわが賢人団から追放し、白の会議から追放する。」
「ガラドリエルがわしにいってくれた。かれは危険にさらされていると。だが結局は逃れ得たな。よかった。ボロミアの為だけにも、若いホビットたちがわしらと一緒にきたことはむだではなかった。」
「新年の十四日じゃ。」と、ガンダルフはいいました。「それともホビット庄暦のほうがいいなら、四月の第八日目じゃ。じゃが、ゴンドールではこれから新年はいつも、サウロンが没落し、お前さんたちが火の中から王の許に連れて来られた三月の二十五日に始まることになったのじゃ。」
「わしにも確かではない。だから、これ以上は何もいわぬことにしよう。今度来るときには、何か教えてあげられるかもしれぬ。わしは今すぐ旅に出る。では、また会う時までさらばじゃ。」
「わしにもわからぬ。」と、魔法使は答えました。「わしはただ、指輪のことをふしぎに思い始めただけなのじゃ。それも特に昨夜からな。
ガンダルフはわずかに体を動かして顔を上に向けました。「あんたはこの前わしらが出会った時にいわなかった何をいおうというのか?」と、ガンダルフはたずねました。「それとも、ひょっとしたら取り消すことがあるのか?」
「これはわしが大事に預かっておく。」と、かれはいいました。「サルマンならこれを選んで投げたりはしなかったじゃろうよ。」
その時ずっと上の開いた窓から甲高い悲鳴が起こり、ぷつりと消えました。「サルマンもそう考えたと見えるな。」と、ガンダルフはいいました。「かれらを置いて行くとしよう。」
「レゴラスよ、あんたは美しい種族もちまえの鋭い目を持っておる。一リーグ離れていても雀と鷽を見分けるくらいじゃ。教えてくれ、ずっと向こうのアイゼンガルドの方角に何か見えぬかな?」
「わしがあんたなら、それを使わんな。が、その指輪は内緒にしておけ。また、大事に、な! さてと、わしは寝るとしよう。」
「ただ、そうなったのは何も、他の者が持たぬ長所のせいではないし、力や知恵のせいでもないことは、自分でしかとわかっておろうな。しかしすでにあんたは選ばれてしまった。そこであんたはもれる限りの力と知恵と勇気と知力をふるいたてなければならんのじゃ。」
「わしの心の奥底で声がするのじゃ。善にしろ悪にしろ、かれには死ぬまでにまだ果たすべき役割があると。そしてその時が至れば、ビルボの情は多くの者の運命を決することになるかもしれぬと——。