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するり、と服の裾から滑り込む彼の大きな手が、わたしの着ている服をぐっとまくりあげる。「や、」『だまって』「、」『じっとしてて』あっという間に全部脱がされてしまって、うまれたまんまの姿のわたしを、彼はじっと見つめている。「や、」『…』「みない、で」『…むり』
どのくらい時間が経ったんだろう、そのくらいぼうっと過ごしていると、ガチャンと聞こえる扉の音。足音と共に近づく気配。カチャリ、と扉が開けば、廊下のオレンジ色の光がじんわりと部屋に入る。『ねえ』「…」『ねえ、…ま、いいや』ずしりとわたしに跨る、彼。#6音で妄想
なんで、あんなこと、言ったんだろう。わたしが、わたしだけが、の前に、彼だって。彼だけが、彼だから。進み続ける時間と、何度も繰り返す、あの瞬間。いつもの彼の笑い声と、存在がない、無機質な空間に、ひとり。…謝らなくちゃ、そう頭ではわかっていても、ここから動けない。
まっすぐわたしを見つめる目が、怒っていて、その奥でひどく悲しそうで、ハッとした。わたしのことばかりを、考えた発言だった。「、ごめ」『…』「…」『…ちょっと、外の空気』ゆっくりと立ち上がって、彼は扉の外へ。ガチャン、と響く音と、目の奥から溢れてくる涙。グッと締め付けられる、こころ。
🦓本当は、あんなこと、言いたくなかった。言ってはいけないと思っていたし、いつもなら我慢できた。そんなことを言わなくたって、彼から降り注がれる愛情で、モヤモヤした感情なんて吹き飛ばされていた。…なのに、いつもみたいに、できなかった。『…なんなのよ』と彼のまっすぐな目。#6音で妄想
きゅー‥っと大きな手がわたしの手をやさしく握る。だいすきよ、あいしてるよ、かわいいね、いつも彼がくれる言葉が、聞こえたような気がした。うれしくって、あったかくって、胸がぎゅっとなる。寝てる間に、こんなことしてるなんて、知らなかった。「…おやすみね」ちゅ、と頬に触れる唇。
🦓何だかやることがあって、まだまだ眠らなさそうだったから、先にベッドに入った。帰ってくるのを待ち続けたあの夜とは違って、今日はただただ眠くて、すぐに目を閉じた。ふ、と人が入ってくる気配がして、彼がきたのがわかる。「…」そうっと、わたしの腕を持ち上げて、するりと手を繋ぐ。#6音で妄想
まぶたに唇を落として、部屋から出ていった。さっきまでは、暗くて、さみしくて、どうしようもなかったベッドの中が、一瞬で彼のにおいがいっぱいの、やわらかくて、あたたかい場所に変わった。もう、大丈夫。早く戻ってこないかな、とそっと目を閉じた。
「…ふふ、」『……ん、なーに。おきてたの』わるいこ、と微笑みながら、わたしのおでこに音を立てて唇を落とす。「…おかえりなさい」『ただーいま』サッとシャワーして、すぐくるから、まってて、と耳元で囁く。「んふふ、寝てていいよとかじゃないんだ」『うん、まってて』すぐくるからね、と
🦓仕事で帰りが遅い夜なんて、何度もあった。大丈夫、大丈夫、と言い聞かせて、布団にくるまった。何度も繰り返したから、慣れた気でいた。…だけど、どうしたって、不安で、さみしくて、たまらない夜だってある。ぎゅ、と目をつぶったら、浮かんでくる彼のかお。#6音で妄想
「…ここにさ、ほくろ、あんのね」『…』「ここ、いっつもいいにおい」『ん…くすぐった、』「こーんなうっすいからだなのに」こーんなとこまで入ってるね、と満足そうに笑みを浮かべる彼は、いつのまにかわたしを上に乗せている。「…締まった、えっち」『や…!』また押し寄せる波に、目を閉じる。
🦓「…っ、ん、…」薄暗い部屋の中、間接照明のオレンジ色がじんわりとからだを照らす。もうどのくらい、こうしているか…じぶんが上にいるのか下にいるのかもわからなくなってきた。きもちいい、そんなことしか頭に回らない。『…んふふ、そーんなたまんない顔されたら、こまる、かわい』 #6音で妄想
「…!」してやったりな顔でこっちを見る彼。わたしを抱きしめたまま、立ち上がる。『あっちで、もっと、くっつこ?』「…ん、」『俺こんなんじゃ足りないよ?』「ばか、」『寝かすつもりもない』「…」『お望み通り、ね』ちゅ、と頬に落ちた唇は、薄暗いルームライトで余計に色っぽく見えた。🦓
「や…!」『?やなの?』「…えっと、」『なーに?どうしたいの』「…もうちょっとだけ、」『もうちょっと、なに?』「…」くっついてたいの、とくちびるを耳に寄せて伝えた。きっと真っ赤な顔してるから、見られたくなくて。『んふふ、かーわい。ほんと』「…」『誰も寝るなんて言ってないよ?』
🦓寒くなるといつもそう。無性に彼に甘えたくなる。きっと普段から甘やかされているのだけれど、なんていうか…もっと、触れ合っていたい、というか。触れ合うだけじゃ、足りない、というか。ちら、と彼の方に目線を向けたけれど、彼の目線はスマホに向かっていて。#6音で妄想